単著
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敗者としての東京 ――巨大都市の隠れた地層を読む (筑摩選書 248) 2023年
江戸=東京は1590年の家康、1868年の薩長軍、1945年の米軍にそれぞれ占領された。「敗者」としての視点から、巨大都市・東京を捉え直した渾身作! 筑摩書房 |
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空爆論: メディアと戦争 (クリティーク社会学) 2022年
「視ること」は「殺すこと」である――支配し、侵略し、殺害する「上空からの眼差し」としての空爆は、第一次世界大戦や日本空爆、朝鮮空爆などを経て、いかに変容し、遠隔爆撃ドローンや現在の戦争における空爆の眼差しへと至ったのか。ウクライナ侵攻まで一貫してつながる「メディア技術としての戦争」を問い直す。 岩波書店 |
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視覚都市の地政学――まなざしとしての近代 2016年
20世紀初頭から現代まで、東京はいかに〈まなざしの場〉として経験=構成されたのか? 街頭、百貨店、映画館、テレビ、テーマパークなど各所における〈まなざしの政治〉を固有の地理的文脈のなかで明らかにし、地政学的展望へと向かう。『都市のドラマトゥルギー』『博覧会の政治学』以降の20年にわたる都市論の集大成! 岩波書店 |
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トランプのアメリカに住む (岩波新書) 2018年
ハーバード大学客員教授として1年間、ライシャワー日本研究所に滞在した著者が、この社会を中心近くの崖っぷちから観察した記録。非日常が日常化した異様な政権下、この国が抱える深い暗部とそれに対抗する人々の動きをリアルタイムで追う。黄昏の「アメリカの世紀」とその未来について考察する、『世界』好評連載の書籍化。 岩波書店 |
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大学という理念: 絶望のその先へ 2020年
資本主義の過剰、パンデミック…、いま危機の中で思考する渾身の大学論=日本社会のための海図。新しい価値を創造する場へ。 東京大学出版会 |
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平成時代 (岩波新書) 2019年
平成の三〇年は「壮大な失敗」、今後も続く「失われる半世紀」への序曲であった…。「失敗」と「ショック」の意味を多分野にわたりシビアに総括することからしか、新たな展望は描けない。経済、政治、社会、文化でこの三〇年間、何がおきたのか。社会学者吉見俊哉が「ポスト戦後社会」の先に待っていた空虚な現実を総括する。 岩波書店 |
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知的創造の条件:AI的思考を超えるヒント (筑摩選書) 2020年
なにが知的創造を可能にするのか?批判的読書や「問い」の発見などの方法論を示す。それだけではない。社会のデジタル化が進み、知識が断片化し、大学をはじめ社会全般で知的創造のための社会的条件が弱体化する現在、各人の知的創造を支える図書館や大学、デジタルアーカイブといった社会的基盤はどうあるべきか。AIによる知的労働の代替など、ディストピア状況が到来する可能性が高まるなか、知的創造をいかにして奪還するか―。知的創造の条件を、多角的かつ原理的に論じ切った渾身の書! 筑摩書房 |
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大学は何処へ 未来への設計 (岩波新書 新赤版 1874) 2021年
パンデミックで窮状が白日の下に晒された日本の大学。襲いかかるオンライン化の奔流、不可避の人口減、疲弊する教員、逼迫する資金、低下する国際評価――。存続の危機の根本原因はどこにあるのか。本来の大学を追究し続けてきた著者が、「時間」をキー概念に提案する再生のための戦略とは。ロングセラー『大学とは何か』待望の姉妹編。 岩波書店 |
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「文系学部廃止」の衝撃 (集英社新書) 2016年
大学論の第一人者による緊急提言! 大学は何に奉仕すべきか? 迷走した廃止論争の真相と、日本を救う知の未来像。 二〇一五年六月に文科省が出した「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」の通知を受け、各メディアは「国が文系学部を廃止しようとしている」と報じ、騒動となった。これは事の経緯を見誤った報道ではあったものの、大学教育における「理系」偏重と「文系」軽視の傾向は否定できない。 本著では、大学論、メディア論、カルチュラル・スタディーズを牽引してきた著者が、錯綜する議論を整理しつつ、社会の歴史的変化に対応するためには、短期的な答えを出す「理系的な知」より、目的や価値の新たな軸を発見・創造する「文系的な知」こそが役に立つ論拠を提示。実効的な大学改革への道筋を提言する。 集英社 |
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「声」の資本主義 ---電話・ラジオ・蓄音機の社会史 (河出文庫) 2012年
電話もラジオもレコードも、そのはじまりから今あるようにあったわけではない。「声」を複製し消費しようとする社会状況のただ中で、音響メディアはいかに形づくられ、また同時に、人々の想像力と身体感覚はいかに変容していったのか―。混沌たる草創期の多様なるメディアのありさまを活写し、近年さかんな聴覚文化研究の端緒を切り開いた先駆的名著。 河出書房新社 |
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現代文化論: 新しい人文知とは何か (有斐閣アルマ) 2018年
〈文化〉とは何か。この原理的な問いに,古典的研究から最先端の議論まで,博覧強記の著者が明快に整理し,新たな文化論を打ち出す画期的な教科書。ポップカルチャーから観光,ミュージアム,ネット社会まで,現代文化を読み解くために必要な理論と方法を解説する。 有斐閣 |
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検証 コロナと五輪 ; 変われぬ日本の失敗連鎖 (河出新書) 2021年
1年延期の末に開催された東京五輪をめぐっていったい何が起こっていたのか。社会的・政治的動向と国内外のさまざまなメディア上の言説を分析・検証し、ポスト五輪の東京を展望する。 河出書房新社 |
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東京復興ならず-文化首都構想の挫折と戦後日本 (中公新書 2649) 2021年
空襲で焼け野原となった東京は、戦災復興、高度経済成長と一九六四年五輪、バブル経済、そして二〇二〇年五輪といった機会を経るたびに、破壊と大規模開発を繰り返して巨大化してきた。だが、戦後の東京には「文化」を軸とした、現在とは異なる復興の可能性があった……。南原繁や石川栄耀の文化首都構想、丹下健三の「東京計画1960」など、さまざまな「幻の東京計画」をたどりながら東京の未来を構想する。 中央公論新社 |
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文化社会学の条件 2014年
「文化社会学」の原点を見極める! 第一次大戦から、太平洋戦争、高度経済成長期、そして現代にいたる100年…… 思想史、文化研究、メディア論、社会学、文学などのジャンルを越境して、「文化社会学」という視角から近代/現代の様相を照射する、はじめての試み! 日本図書センター |
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東京裏返し 社会学的街歩きガイド (集英社新書) 2020年
『都市のドラマトゥルギー』から三〇年以上を経て、社会学者・吉見俊哉の新たな都市論が完成。これまでに東京は三度「占領」されている。一度目は徳川家康、二度目は明治政府、三度目はGHQによって。消された記憶をたどっていくと、そこに見え隠れするのは、日本近代化の父と称される渋沢栄一であった。本書の中核をなすのは、都心北部―上野、秋葉原、本郷、神保町、兜町、湯島、谷中、浅草、王子といったエリアである。これらは三度目の占領以降、周縁化されてきた。しかし今、世界からも注目される都心地域へと成熟している。まさに中心へと「裏返し」されようとしているのだ。詳細地図つきで街歩きガイドとしても最適。 集英社 |
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アフター・カルチュラル・スタディーズ 2019年
“文化”と“政治”をめぐる問いを深化させてきたカルチュラル・スタディーズの大いなる蓄積の後に、どのような批判的な知を構築し直せるのか?そして、新自由主義により社会が分断され、現実の基盤が崩壊するなかで、どのような知を追い求めればいいのか?“連帯”へと向かう、挑戦の書。 青土社 |
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平成史講義 (ちくま新書) 2019年
平成の三〇年間は、グローバリゼーションの進展の中で、戦後に形成された日本的システムが崩壊していく時代だった。政治、経済、雇用、教育、メディア、防衛―。昭和の時代にはうまく回っていたものがすべて機能不全に陥り、そこから立ち直ろうとする挑戦の失敗と挫折の繰り返しが、平成史を特徴づけている。「平成」という時代を過去に葬り去ることなく、失敗の歴史を総括し、未来への指針を示すために。各分野の第一人者が一〇のテーマで見通す、最もリアルな平成史。 筑摩書房 |
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アメリカの越え方―和子・俊輔・良行の抵抗と越境 (現代社会学ライブラリー5) 2012年
アメリカと深くかかわってきた鶴見和子、鶴見俊輔、鶴見良行。3人それぞれの思想と行動をてがかりに、戦後日本人の精神史を探究する。日本の内側から「アメリカ」を越えていく方法を、わたしたちは、どのように構想できるか。 弘文堂 |
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大予言 「歴史の尺度」が示す未来 (集英社新書) 2017年
復興と成長の時代、豊かさと安定の時代、衰退と不安の時代、次は何の時代?本書では、二五年単位を核として、一五〇年、五〇〇年といった長期の尺度も用いながら、歴史を構造的に捉えていく。この三つの尺度を駆使すれば、今後、世界が辿る道筋が見えてくる。知的興奮に満ちた刺激的な論考!世代史と世界史を架橋する壮大な試み! 集英社 |
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五輪と戦後: 上演としての東京オリンピック 2020年
ポスト戦争の時代、東京オリンピックの舞台はいかに整えられたのか。社会学・文化研究の第一人者が、五輪というドラマを活写する。 河出書房新社 |
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夢の原子力―Atoms for Dream (ちくま新書) 2012年
二〇一一年三月一一日の原発事故の拡大で、私たちの「豊かな戦後」の終焉は決定的となった。この事件は、私たちが求めてきた経済成長の帰結として生じた事件である。戦後日本において、原子力はいつしか被爆の「恐怖」から成長の「希望」の対象へと変容し、夢と平和の象徴として受け入れられていく。大衆の日常と社会意識は、いかにしてこの明るい未来のスペクタクルを欲望し、受容したのだろうか?戦後日本の核受容を、「原子力的な陽光」の冷戦期から「放射能の雨」のポスト冷戦期への変遷の中にさぐる。 筑摩書房 |
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戦後と災後の間 ――溶融するメディアと社会 (集英社新書) 2018年
フクシマ、トランプ、東京五輪問題に、パナマ文書、ポケモンGOのブーム、公文書管理の闇、そして日常に迫るテロリズム…。近年起きた無数の出来事が示すのは、メディアと社会の溶融である。本書では、東日本大震災後という意味での「災後」の二〇一〇年代に足場を置き、安倍政権とほぼ重なる「災後」の近景、それを一九九〇年代半ばからの変化として捉える中景、さらに戦後日本、なかでも七〇年代頃からの歴史に位置づける遠景の三重の焦点距離を通して戦後と災後の間を考察。未来への展望を示す。 集英社 |
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一九三〇年代のメディアと身体 (青弓社ライブラリー) 2002年
転換期の時代の文化・思想には、どのような現代性をもった言説空間が横たわっているのか。「総力戦」「宣伝」「観光」「メディア」「口演」「放送」の6つの視点を切り口に、メディアと身体が重層的にかかわりはじめた時代における社会の深層意識の変容を解読。 青弓社 |
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知の教科書 カルチュラル・スタディーズ (講談社選書メチエ) 2001年
1970年代、英国バーミンガム大学・現代文化研究センター発。瞬く間に世界を席巻した新たな知の潮流=カルチュラル・スタディーズ。メディア、サブカルチャー、人種、セクシュアリティ、歴史をどう捉えなおすのか?領域を超えて豊饒な成果を生みつづける文化研究を、基礎から立体的に紹介する格好の入門書。 講談社 |
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万博と戦後日本 2011年
戦後日本を画した五つの万博。高度成長の熱狂と「大阪万博」、沖縄返還と「海洋博」、研究学園都市と「科学博」、環境問題と「愛・地球博」。大衆の夢=「成長」と国家政策=「開発」は、所得倍増計画の下に癒着、そして乖離し、開発主義政策システムは破綻する。万博の裏で蠢く国家、官僚、地方、知識人、産業界、市民運動家の葛藤に、戦後政治の限界を看破する。 弘文社(河出文庫版 2009年) |
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大学とは何か 1987年
いま、大学はかつてない困難な時代にある。その危機は何に起因しているのか。これから大学はどの方向へ踏み出すべきなのか。知のメディアとしての大学を、中世ヨーロッパにおける誕生から、近代国家による再生、明治日本への移植と戦後の再編という歴史のなかで捉え直し、大学の理念を再定義する画期的論考。 岩波書店 |
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博覧会の政治学 2010年
18世紀末にフランスに誕生した資本主義の祭典=展示会は、19~20世紀、各国の万国博覧会へと発展する。国家は「帝国」と「商品」をディスプレイし、博物学的まなざしは、日常生活領域へと浸透すると同時に、大衆の欲望=娯楽・見世物性を満足させる。博覧会という場が孕む微視的な権力の作用を明らかにし、スペクタクルの社会理論を提示する。 講談社学術文庫 |
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ポスト戦後社会 1987年
バブルとその後の長期不況、深まる政治不信、そして高まる社会不安。列島が酔いしれた高度成長の夢のあと、何が待ち受けていたのか。崩れゆく冷戦構造のなかで、この国は次第に周回遅れのランナーとなっていったのではないか。六〇年代半ばから現在まで、政治・経済・社会・家族…すべてが変容し崩壊していく過程をたどる。 岩波書店 |
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親米と反米―戦後日本の政治的無意識 1987年
戦後日本社会は、基本的に深く親米的であり続けたのではないか。その感覚は、「反米」世論が高まったときすら、通奏低音として流れ続けていたのではないか。戦前戦後にわたる、大衆的なレベルでの親米感覚に焦点をあて、日本の近代や戦後天皇制、ナショナリズムの構造との不可分な関係について考察し、それを超えていく視座を模索する。 岩波書店 |
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万博幻想―戦後政治の呪縛 2005年
高度成長の頂点を象徴する大阪万博から数え、二〇〇五年の愛知万博は日本で開催される五度目の万国博覧会である。その間、万博は一貫して、豊かさへの大衆的な欲望と国家の開発主義政策との癒着を可能にする仕掛け―万博幻想―として機能してきた。本書は、こうした「幻想」を広く長く作用させてきた「政治」の場としての万博の内実とその行く末を、国家と地方行政、財界、知識人そして大衆の間に繰り広げられるせめぎ合いに焦点を当てることで浮き彫りにする試みである。 筑摩書房(講談社学術文庫版 2011年) |
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メディア文化論 2004年
メディアって何だろう?― 有斐閣 |
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カルチュラル・ターン、文化の政治学へ 2003年
カルチュラル・スタディーズの地平から、消費文化とサブカルチャー、グローバル化とメディア・ナショナリズム、新しい空間論と文化的公共圏等々の問題を広く深く論じ、現代社会を批判的に読み解く豊饒な理論の集成。 人文書院 |
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カルチュラル・スタディーズ 2000年
文化を、すでにそこに在り、固有の内容を含むものとする我々のまなざしの背後には、いかなる政治学が内包されているのか。単なる実証主義的な文化研究を超えて、それ自体を「問題化」することとは、何を意味するのか。「対象」としての文化から、「問題」としての文化へ。カルチュラル・スタディーズの問題構制を歴史的に位置づけなおし、近代における文化概念の存立そのものを問い返す。 岩波書店 |
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リアリティ・トランジット 1996年
東京ディズニーランド、オウム真理教、マスコミ、天皇制、都市、TVアニメ、ファミコン(RPG)、テレフォン、メキシコ・シティ、ジャン・ボードリヤール、孤独な群衆…80年代後半~90年代の事件・現象を見つめ、人びとのリアリティの変容を水平・鉛直の両軸から測定する同時代論。 紀伊國屋書店 |
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メディア時代の文化社会学 1994年
電話、テレビ、パソコン、メディア、イベントなどメディアは日常的な親近性をもってわれわれの感覚のレベルに浸透している。生活意識や感覚を無意識に変容させるメディアの多元的な様相と、その諸層へ個々人がインターフェイスする情報空間のドラマ。 新曜社 |
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博覧会の政治学―まなざしの近代 1987年
帝国主義のプロパガンダ装置、消費社会の広告装置、見世物としての娯楽装置、博覧会は大衆の欲望や感覚をどのように動員し、再編したのか?18世紀末にフランスに誕生した資本主義の祭典=展示会は、19~20世紀、各国の万国博覧会へと発展する。国家は「帝国」と「商品」をディスプレイし、博物学的まなざしは、日常生活領域へと浸透すると同時に、大衆の欲望=娯楽・見世物性を満足させる。博覧会という場が孕む微視的な権力の作用を明らかにし、スペクタクルの社会理論を提示する。 中央公論社(講談社学術文庫版 2010年) |
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都市のドラマトゥルギー東京・盛り場の社会史 1987年
盛 り場を「出来事」として捉える独自の手法によって都市論の可能性を押し広げ、近年の文化研究にも影響を与え続けている新しき古典。「浅草」から「銀座」 へ、「新宿」から「渋谷」へ-東京における盛り場の変遷を軸に、そこに群れ集う人々がドラマを織りなす劇場としての都市のダイナミズムを活写する。 弘文社(河出文庫版 2009年) |