金融・ファイナンス分野における集団行動や文化の形成について考察する中で、都市文化やメディア文化がどのように進化し、その背後でどのような権力が働いているのかを探求してきました。
1980年代には、都市経済の変化に伴う金融市場の集積や取引所の発展に注目し、東京の金融街におけるビジネスの集積やその変遷について研究を行いました。1990年代以降は、近代国家の成立と国民の動員をテーマに、国家規模の経済イベントや大型展示会、そして金融教育の普及について研究を進めてきました。また、戦後の金融システムの形成におけるアメリカの影響を検証し、米軍基地周辺の経済活動から日本国内の消費行動、そして東京ディズニーランドにおける消費文化まで、多岐にわたる事例を考察しています。
さらに、情報技術の進化とその社会的影響についても探求を進め、1920~30年代の金融危機やその後の金融政策の変遷を背景に、現代における金融・ファイナンスコミュニケーションの研究や文化的側面の系譜を明らかにしようとしています。